○日時:2017年7月30日(日)
○場所:日清製粉株式会社 加工技術センター
○内容:プロに習うパン作り+ミニ学習「小麦粉とグルテン体験」
○講師:布施修シェフ(JPB副代表幹事)

3年目になって、ますます好評の「夏休み子どもパン教室」。
今年は会場を日清製粉に変えて開催されました。技術指導はプロのパン技術者組織
「ジャパンプロフェッショナルベーカーズ友の会(略してJPB)」から布施シェフ、もぐもぐは司会進行役と昼食用の美味しいスープ作りを担当しました。

この会場は、普段、一般人は入れないプロのためのラボ(研究室)。特別に許されての入室には髪の毛、ホッチキスなど異物混入にならないように気をつけました。
プロ用設備を使って、プロに習う目的は「食べ物が、ただお金を払えば手に入る昨今、
その裏でどんな人たちが、どんな思いで、どう工夫して一つひとつを作っているか、を見て感じること」と、当会代表の松成から話があって、いよいよ会はスタート。

テレビや本では絶対にわからない匂い、手で触った感触、熱さ、人の声、一緒に食べて
交わす笑顔。それら全てがこの日には用意されていました。
内容は盛りだくさんですが、進行はプロ集団だけにスムーズです。9つの班を講師1人、アシスタント3人が回るほか、JPBからプロのパパたちも何人も参加されていたので、
ちょっと困ってもすっと助け舟が出ていました。

作るものは、昨年と同様「夏野菜のフォカッチャ」「メロンパン」「フランスパン」。
参加者が最初から最後まで自分の手で作り上げるのは、ランチ用のフォカッチャだけ
ですが、力をこめて作ったフォカッチャをプロと一緒に食べながら「おいしーーいっ」と
ランチタイムは会場いっぱいに笑顔が咲きました。

フランスパンは、生地を日清製粉の吉村さんが前日から準備してくださり、みんなは成形するだけ。フォカッチャに比べびっくりするほどソフトな生地を、そお~っと手に持って、窯前の淡路シェフに渡します。クープを入れたらオーブンに。
順番に中をのぞいては「わああ、こんなに直ぐ大きくなるんだ」とびっくり。

午後は、ミキサーでこねたバターロールに、皆で作ったメロン皮を貼り付け、ホイッパーで線のあとを格子状につけたら完成。
焼き上がったメロンパンはアツアツで、つぶさないようにみんな大事に持ち帰りました。

発酵時間を使ってのミニ学習は、吉村さんによる小麦の話。

小麦のほとんどが、外国からやってくること
粉には強力粉、中力粉、薄力粉といった分類があること。
粉を触ると、それぞれ感触が違うこと。

それぞれの粉で作ったグルテンも、引っ張ると強さが違うことを体験できました。
おうちで「グルテン」を作る方法も教えてもらいました!

最後に「小麦粉1袋は何キロ?」
「この1袋で、食パンは何斤できるでしょう?」といったクイズもあり
頭を使い、手を使い、最後までワクワクの続く1日でした。

いつも優しい講師の布施修シェフ(元シェラトンホテル)
段取りを万全にして「50人超えても、ぼくらがフォローします」といって、もぐもぐ枠をほぼ倍に拡張してくださった淡路文雄シェフ(ホテルオークラ)。
「手伝いますよぉ」とニコニコやってきてくれた、土屋敏朗シェフ(第一ホテル)と同僚の
小澤果寿紗さん。とくにこの日、女性のプロの存在は、子どもたちにも刺激的で、「女の人も、プロになれるんだ」と夢が広がったようです。
休日のビルを特別に貸してくださり、前日の土曜日からたくさんの準備をしてくださった日清製粉の皆さん。こういった大人の行動が次の時代の「食の認識」「食の常識」を育てます。子どもたち、そしてパパ、ママたちにもきっと伝わったと思います。
お疲れ様でした。

・・・・・・・・以下、アンケートより抜粋・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「発酵した生地の感触が忘れられません」(小5男子)
「グルテンがぶにゅぶにゅしてた」(小1女子)
「バゲットを焼いているとき、どんどん大きくなってびっくりした」(小2女子)
「パン作りにはすごく体力がいるとわかった」(小3女子)
「フランスパンが楽しい。心が大切とわかった」(小1女子)
「小麦粉はブレンドで110種類もあるときいてびっくりした」(小3女子)
「粉に、さらさらと、つるつるがあった」(小2男子)