■ 松成容子の「話食はおいしい その8」

CONTENTS  

1)みんなの畑。いまの旬はご存知ですか?
2)福島の農家にお話を聞いてきました。

思いがけないほど大きな台風も去り、梅雨明けが
待たれるアツい日々が続きますが、皆様水分は取っていますか。

夏の水分補給に、きゅうりの丸かじりがぴったりという
テレビを見ました。きゅうりの栄養成分はなかなか
アピールポイントが少ないのですが、一番は水分。二番には
「体に入った塩分(ナトリウム)を外に出すお手伝い」をしてくれる
カリウムが豊富という点です。

1) いまの旬の作物は?

春に募集した10家族と、畑に行くプロジェクトが6月29日から
いよいよスタートしました。
初日はじゃがいも堀り。煮崩れない女の子「メイクイーン」と
煮崩れてこそいい味を出す男爵系の「北あかり」、そして
じゃがいものふるさとを思い起こさせる「アンデスレッド」の
3種類をたっぷり掘りました。

見沼田んぼは、その名のとおりもともと田んぼだったのですが
米の需要が減ったため、いまは土を入れて畑にしています。

第2回目の7月13日は、掘り返したじゃがいも畑の隣で、
なすときゅうりの収穫体験。
日本列島を横断する大型台風8号の様子を
みんなで1週間にらんでいたおかげで、金曜日の朝、
畑にはたいした爪あとも残らず、翌々日の日曜日には
ほどよい天気になりました。

ちくちくと痛いつるからきゅうりをはさみでちょんと切って、
ポリ、ポリ、ポリとかじるきゅうりのなんと甘くて、みずみずしいこと。
また、子どもの「嫌いな野菜」のトップ3に入るナスをスライスして
ピザも作りました。

「家じゃ食べないのに」「ママのナスは食べないけどね」「ん、もう」と
にぎやかに、参加者約40人みんなで30枚のピザをせっせと焼いて
残さずいただきました。

6月の終わりから7月、畑は忙しく収穫が続きます。
関東では、この時期がまず、じゃがいも、たまねぎ。それぞれに
これが「新じゃが」「新たまねぎ」です。
そして、なす、きゅうり、ピーマンは秋口まで次々と実をつけます。

今回はありませんでしたが、トマト、とうもろこし、オクラと
夏野菜はこれからが盛りです。畑の持ち主の島田さんから
「埼玉は、生活のそばにせっかく畑があるのですから、ぜひ、
新鮮な地元産の旬のものを食べて」とお話がありました。

2) 福島県の農家とお話してきました

もぐもぐ食育コーディネーター5人で、一泊2日で福島県
郡山市の農家2件と伊達市の桃農家1件を尋ねてきました。

「一度失った売り場は、もう、取り戻せない」
「あのときからぜんぜん状況は変わっていない」
という言葉が印象的でした。

詳細は、近日中にブログにアップします。ぜひ、ご覧ください。
そして、さまざまな苦難を全部背負わせてしまっているような
福島の農家のおかれている現状を「忘れない」「情報は
正しく、を心がける」が、いまやっぱり大切ではないかと
思いました。

それでも郡山の夜は活気があったし、お会いした皆さんは
前向きにさまざまなチャレンジをしていて、きっといつか、
たくさんのノウハウを蓄積して、これから先、さまざまな
苦難から立ち上がらざるを得ない人々を支える人に
なってくださるだろうと、一筋の明かりを見た思いです。

松成 容子 (NPO法人 食育研究会Mogu Mogu 代表)