松成容子の「話食はおいしい その17」

寒暖の差が激しい、ちょっとおかしな天気が続きます。
先日、畑で、農家の島田さんが
「今は野菜がドット出てきて安いでしょ。でも、この後、
そのツケが来ますよ」とお話されました。
食べ物と自然は、どうしてもセットです。
自然と対話しながら仕事をしている人に、教わることは
多いですね。

1)冬至とクリスマス、本当の意味は?

日がどんどん短くなっていきます。このごろのさいたまの
日の入りは、16時30分(日の出は6時45分頃なので、日の長さは10時間弱)。
そのうえ寒さが襲ってくると、なんとなく不安な気持ちに
なってしまいますよね。でも、大丈夫。
これは、ずーーっと昔から、だれもが抱く感情でした。
「また春は来るのかな」「無事、冬を越せるかな」「食べ物は足りてるかな」
そんな不安な気持ちを支えるために、冬のイベントがあるのです。
冬至は1年で一番昼の時間が短いけれど、翌日からは
また、だんだん長くなります。
人々はそこに、希望を持ちました。
これを「太陽の復活」「生命力の再来」と考えて、
キリストの誕生と結びつけたのがクリスマスですね。
サンタさんのプレゼントやごちそうの準備だけでなく、
冬を気丈に乗り切って春を待つために、日本なら
かぼちゃで英気を養い、ゆず湯で邪気を払います。
もちろん、仏教徒の日本人であろうといまや欠かせない
クリスマスには、冬でも枯れない緑にあやかって、
もみの木を飾り、ブッシュ・ド・ノエルという木切れに
見立てたケーキには、コケなど命の再生を期待する
意味があるのだそうです。
希望のもてる美味しいものを囲んで、家族や仲間と
励ましあいながら、春を待ちたいものですね。

2) 新しい年の迎え方

先日、もぐもぐは「お雑煮を親子で作る会」をしました。
さいたま市緑区あたりのお雑煮は、角餅だけど、焼きません。
昆布とかつお節で取っただし汁に入れて、柔らかくします。
具材は、大根、青菜、そして八つ頭で、澄まし汁です。
おもしろいのは、
8つも頭角をあらわしますように、つまりたくさんの才能や可能性が
伸びていきますように、という願いを込めて、こればかりは
里芋(ほんとは、こっちのほうが地元の自慢作物ですが)ではなく、
八つ頭なのだと、地元農家の萩原さとみさんに
教えていただきました。
お雑煮も、おせち料理も、本来は『その土地で採れる産物』で
ごちそうに仕立てたものです。
土地ごとのお雑煮話を、夫婦で、家族で、友達で、してみませんか。
ちなみに、先だっての「お雑煮の会」では、どうも台所で主導権を握っている
母方のお雑煮が引き継がれていく傾向が強かったです!
なんと、頼もしいことでしょう。
でも、子どもたちが育っている地元のお雑煮にも関心を持ってもらえて
うれしかったです。

もぐもぐに日本のしきたりを教えてくれたもう一人の方が
築地本願寺元総料理長の長島博さんです。
「元旦に、年神様(としがみさま)は家に来るんですよ。なのに、みなさんは
デパートに福の袋を買いに行っちゃう、おうちは留守、なんですよねえ」
「おせち料理は大晦日に用意して、まず神様に召し上がっていただく。
それを元旦におろして家族でいただく。神様に見守っていただきながら
今年1年、良い年でありますようにと、家族で願いながら、ね」
こんな話を聞いて、そうだったのか、といいながら、
10数年前、我が家のおせちを見直したことです。
おせち料理は買うことが多くなった今の世ですが、それでも
三が日のどこか1回くらいは、ぜひ、タイミングを合わせて
みんなで「おめでとう、今年もしあわせでいられますように」と
笑顔を合わせていきませんか。

では、少し早いですが、皆様、良いお年をお迎えください。

以下、お知らせです。
【最近、紹介された媒体】
1) ミニハピhttp://minihapi.jp/interview/interview-594.html
2) 保育園ママのための元気アップマガジンHanako ママ(2016年1月号)

【今後のもぐもぐの予定】
1) 12月23日(水・祝) ローストチキンの会(満員になりました)
2) 2月14日(日)10時30分より 「親子でみそを作ろう」(さいたま市緑区プラザイーストにて)
3) 3月16日(水)夕刻より 「パンとイタリアン。二人のシェフの競演」(詳細未定 さいたま市緑区 プラザイーストにて)

【活動報告】
1)もぐもぐのいろいろ http://mogumogu.net/info/info-cat/event_report/
2)ロデヴの会のいろいろ 

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松成 容子 (NPO法人 食育研究会Mogu Mogu 代表)
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