〇日時  2023年7月30日(日) 10:00~11:45

〇場所  さいたま市緑区見沼田んぼ

〇内容  なすときゅうりの収穫体験

◆畑は日照りでカラカラ。暑いけど元気にスタート

今年のさいたま市の7月は35℃、39℃と最高気温が異常な高さで続く日々。

じりじりと太陽はこの日も元気です。朝10時。暑い・・・。

それでも子供たちは生き生きとした笑顔で、虫取りアミを片手に駆けてきます。

「おはようございます!」

大人たちはまぶしそうな表情で木陰を探します。

熱中症が心配なので、一刻も早くプログラムを終わらせなきゃと、スタッフは朝から焦っていました。

見沼田んぼは6月の水害からはうってかわって日照りが続き、草こそ生えていますが、

畑の中は、あちこち地割れしていました。

   

◆水がなくっちゃ。ナスは大変

ナスは、水害の水が引いてから苗を植えたので、元気に成長していました。

それでも太陽にあてるため、下の方の葉は、時々もぎ取ってやる・・・

つまり、苗の数だけ、かがみ仕事をするのだそう。でもそれより今夏、もっと困ったのが日照りでした。

農家の島田喜之さんから

「作物の成長には、太陽と、土と、もう一つ、絶対欠かせないのが水なんだよ。

その水がないと、オジサンたちは、本当に大変なんだ。

でも、みんなが来るまでに、少しでも実を大きくしなくちゃと思って、

毎日、夕方になったら、この黄色いタンクで水を家からは混んできて、水やりをしたんだよ」

とお話がありました。

   

収穫したのは、「千両ナス」と「中長ナス」。千両

ナスは実がふっくらとして軟らかく、「お味噌汁の実にいいよ」とは島田喜充さん。島田さんの息子さんです。

中長ナスは「実がしっかりしてるから、炒め物や焼きナスかな」と。

実は毎日水をやってくれたのはこの息子さんでした。大変な重労働なのです。

「たくさんできてなくて、悪いね」と島田さんは気を使ってくれますが、

みんなはチクチク痛くないようにと軍手をはめて、ナスを摘み取る体験にワクワクです。

   

   

   

◆水害から復活したきゅうり、1本丸かじり

きゅうりは、6月の水害で水没して半分の苗がアウトでした(下の2枚の写真)。

それでももう一度再生した苗たちが、予定スペースの半分くらいまで復活して、

葉を茂らせ、つるからは黄色い花が咲いたり、大きく長い実を実らせていて、頼もしいこと!

でも、一部にはまるで「うり」のような実をならせているものがあり、水害で成長がゆがめられた痕跡がありました。

   

↑【2023年6月11日 水害1週間後のきゅうり畑の様子】↑

   

さあ、葉っぱの下をのぞいて、みんなで宝物探しです。

大きいの、軟らかそうなの、先に黄色い花をつけているもの。それぞれ好みで選びます。

最後に、子どもたちは一人1本ずつ手に持ってガブリッと丸かじりします。

   

    

「おいしーい」「あ、あま―い」。

ポキンとふたつに折ったら、水がぴゅーんと飛んでいく。すごーい。

島田さんたち農家の方は、畑で作業中、のどが乾いたらこのきゅうりを

水代わりにかじっていたという昔話が実感できる瞬間です。

   

   

いつもならこの後、クイズやゲームでひと遊びして解散ですが、今回だけはさすがに無理。

熱中症にならないうちに、早く解散しようと、集合写真をとって「さようなら」。

それでも、コウロギ、トンボ、ダンゴムシ、バッタと動くものを追いかけ続ける子どもたち。

久しぶりに会えた島田さん。暑くて広くて木陰が心地いい畑。

みんなの笑顔に会って、汗を拭きながら収穫物を片手に家族で帰っていく後ろ姿を見送るのは、本当にいいものです。

今度は8月に、埼玉の郷土料理、うどんを作ります。

畑は10月にまた。それまで自然が少しでも回復していますように。

隣の畑で茶色くなり始めていた里芋の葉っぱを見ながら、祈るような気持ちでした。