○日時:2025年8月17日(日)
○場所:埼玉県越谷市 ニチガス関東中央支店
○内容:石川の夏の魚介類と野菜を取り寄せ、伝統の和食を「一緒に作り」(午前)、「一緒に食べて楽しむ」(午後)。そして、7月の能登訪問の報告をする。
○企画協力:ニチガス関東中央支店リフォーム部、石川県七尾魚商業協同組合
○(公財)浦上食品・食文化振興財団 R7食文化復興支援事業支援活動
2025年度の大目標は「次世代への食文化の継承」です。
その第3弾は、7月に訪れた能登を、地元埼玉の多くの方に近く感じていただくこと。そして一緒に考えていただくことを目的に「能登の食材を取り寄せ、味わおう」と企画しました。
能登の料理界への道筋をつくってくれたのは、当会の副代表で日本料理人として数々の受賞歴を持つ大河原実さん。そのおかげでできた現地とのネットワークで、旬の能登の幸が埼玉に届きました。お盆明けの埼玉で一汁三菜に収まらない「能登のごちそう膳」をみんなで作りました。
◆石川県能登から届いた海幸、山の幸


能登のおいしいものは数々あれど、「夏、それもお盆明けとは・・・市場が動いていないから厳しい」。そんな声に頭を下げながら、能登で知り合った魚卸の中田誠さんにお願いの電話をしました。
届いたのは、ブリの稚魚<コズクラ>、鯛、能登ふぐ、サザエ、そしてこの時期だけ、七尾の内海にいるというワタリガニ。野菜は大きな能登かもうりに金糸瓜ほか大根もやってきました。
まずはその姿かたちをめでるところから食育のはじまりです。
◆大河原料理長と一緒に「能登のごちそう作り」
午前中は、有志家族でプロの料理のお手伝いです。とはいえ、そう簡単にはいきません。
それでも大河原料理長は、魚をさばきながら話をし、カニをひっくり返してオスメスの見極め方を子どもたちに教えたり、かもうりの皮の緑色の残し方を大人たちに伝授したりしてくれました。


午前の有志は18名。とりわけ子どもたちは興味津々。目も耳も、手も、それは活発に動かして我先にと「みんなの役に立ちたい」と働いてくれました。少し時間は押していきましたが、その姿をガラス越しに見守ってくれていた食事客の方々は誰一人不満を口にせず、じっと待っててくださいました。
◆ワタリガニは1人1パイ? サザエって洋風になるんだ! 驚きのラインナップ
今日のお品書きは以下のとおり

©煮魚(鰤の稚魚 コズクラ)
©能登栄螺香り焼き
◎能登ふぐと金糸瓜の酢の物
©能登かもうり饅頭
◎能登鯛めし
©能登わたり蟹の味噌汁


いい香りが会場いっぱいに漂い始めました。プロの大河原さんは、時間通りに進まないことに汗びっしょり。それでも子どもたちは「ぼくが盛りつける」「私が運ぶ」と一生懸命です。
30分も遅れてしまいましたが、とくに大きな事件もなく、何とか机の上に料理がずらり。
待っている間に松成代表から「はい。大切なご飯は左に。お味噌汁は右に置いてありますか?」と声がかかります。ブルーの海に能登半島が印刷されたランチョンマットの上には能登のごちそうが、料理長の意図とはちょっと外れて「てんこ盛り」。会場は一斉に「いただきます」と楽しいひと時が始まりました。
◆小学4年生の発表に胸打たれ・・・


総勢約45名で、テーブルごとに「これは何?」「おお、おいしい」と会話が弾みます。料理と能登素材について大河原さんから説明を受けながら、食べ手も、さっきまでのお手伝いメンバーたちも日本料理のていねいな下ごしらえに想いを馳せます。「夏の能登の素材」は、被災後の半島へ想像を膨らませる窓口になりました。
会場には、7月に能登へ行ったメンバーの中から2人の小学生の発表が張り出されていましたが、スライドとマイクで自分の言葉での報告もしてくれました。小学4年生の小林美央里さんは「多くのものが崩れた様子にしょうげきをうけました。これからも食べて応援したいなと思います」と。同じく4年生の和田紘果さんは「この魚は何でしょう」などとクイズを交えながら。二人とも堂々とした発表ぶりで、会場の注目を一身に浴びていました。
最後に松成代表から総括のスライドと共に「地震の前から、能登はすでに温暖化で海産物が以前のようにはとれなくなっていました。いっそう関心を寄せていきたい」と会を閉める挨拶がありました。
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参加者のみなさんの声
○のとのじしんで、たくさんえいきょうをうけているのを早く直したい(新座市 小2男子)。
○料理を作ったり運んだり、二人の発表も聞けて良かった。楽しい一日でした (さいたま市 小5男子)
○ふぐには毒があることをしれた(年長 女の子)
●高級な食材をおいしく調理する方法を間近で見たり体験できてよかった(さいたま市 母)
●とても良い企画でした。小学生の発表もすばらしく、大人の私たちも勉強になりました。
●これを機会に、ぜひ、能登に足を運びたいと思います(越谷市 70代女性)
●関心を持つことの大切さを学びました。幅広い年代の方が参加する会でよかったです(さいたま市70代女性)
●現状と課題がよくわかった。みんなで料理を仕度してよかった(さいたま市40代父)



