■ 松成容子の「話食はおいしい その11」
少しずつ、春の日差しが降り注ぐ季節になりました。
大きな地震のあと、食育のちからでは、何もできない・・・
と立ち尽くしたものの、ずっと目を離さず、買って、食べて
訪ねて、話して、聞いているうちに、少しずつですが
できることは見つかりそうです。
去年の初夏に訪ねた桃農家の青年はどうしているでしょう。
福島のあんぽ柿は生産が1%になったといいつつも
今年もちゃんと届きました。
宮城の牡蠣生産者であり私の海の師匠からは
「だいぶもどった」と年賀状も届きました。
皆さまの知恵も力も、お借りできれば幸いです。
さて、食べ物の体験の場を設定しているもぐもぐは
11月から先日までの間、白菜収穫体験、ローストチキンづくり、お節&お雑煮教室
ほうれん草収穫体験、みそ作り教室、浦和駅前の広場での和風スープ販売
連続子ども料理教室(越谷市、蕨市)、そして1年間の最後は大人の食育パン講座と、
獅子奮迅の忙しさでした。
たくさんのご協力、ご参加、ありがとうございました。
もぐもぐは、2003年4月に正式な活動をはじめ
発起人14人の署名を集めて8月にNPO法人申請をし、
12月に認証されました。
それからすでに11年。活動はまもなく丸12年になります。
2005年に食育基本法ができる前からスタートしていて、途中、
食育ブームがやってきて、安くお手軽な教室が増えたりすると、私たちも
「もう、学校や企業に任せればいいのかな?」と解散を検討した時期もありました。
けれど、そのとき、理事の一人の「これからこそ、必要なのに」という
つぶやきが、一気にムードを変えました。
そして、今年、コープみらいから、地元の地域課題解決に
長年貢献してきた団体ということで「地域かがやき賞」をいただきました。
ほんと、続けてよかった、が実感です。認めてくださる方々がいる。
それが大きな力になるのです。
今も参加者の方たちと接しながら感じるのは、
「見たことも体験したこともなかったから、知らなかった、わからなかった」
「やってみたら、ものすごく感激、分かった、想像力が広がった」
という大人たちの現実です。
地域課題は、体験するチャンスがない環境で育った都会の大人たちなのです。
だから、次の世代にも、うまくつなげない。
今の社会に、それが圧倒的多数派。そしてそれを批判できなる人なんていない。
どうぞ、大人も子どもも、一緒に、体験できる場にいろいろ足を運んでみてください。
もちろん、自宅や自力でできる小さな作業もいい。
食器を手で洗う、大きなキャベツをザクッと刻む、それとて欠かせない食育です。
私たちも、2015年度はもっと知恵を絞って、体験の場も増やしつつ
小学校など受け入れてくださる場所に出て行きたいと思っています。
「知らなかった」が、「そうなのか」に変わる瞬間は
大人だって、とっても楽しいものです!
世の中、あれもこれも気が付け、気が付けの大合唱で、情報が多くて振り回されますが
体験の場は、大人だけの参加も大歓迎です。
もぐもぐ2015年度予定がまもなくアップされますので
ぜひ、見てくださいね。
松成 容子 (NPO法人 食育研究会Mogu Mogu 代表)