■ 松成容子の「話食はおいしい その14」

「最近、食事を作るのが面倒になっちゃって・・・」
と、親しい友人がぽつり。彼女は大概の家庭料理はもちろん、
子どものおやつもデザートもなんでもさらさらと作れるし、
オリジナル料理もどんどん作れちゃう。私にとってはあがめ
たくなるほどの料理好きママ。それでも結婚して台所生活20年も
たつと「なんか、疲れちゃって・・・」。
身体ではなく、心。それも永年使用の金属疲労のような、ずんと、
静かだけれど重みのある疲労のように見えました。
直接的な原因があるわけでもなさそうで、家族も
みんな元気。それでも、ちょい、疲れたぁ・・・。

これは、誰にもある「人生のひと休み症候群」(私説です)かも
しれません。毎日毎日家族を考え、メニューを考え、時間に
追われながら作っても、食べたら終わり!  
元気な時は達成感があるけれど、気持ちが疲れているときは
徒労感。
そんな時期は、周囲にわかってもらって、ちょっと(私の場合は
約3年も! )、手抜きして流してもいいと思います。
そうしているうちに家族も成長するし関係図も変わってきます。
家族の誰かが少し、作業を肩代わりしてくれたり、優しい言葉を
かけてくれたりしているうちに、また、きっと元気なれますとも。

手抜きしたいときは、旬の野菜がオススメです。
そのためには、スーパーではなく、旬が分かりやすい八百屋さんを
見つけます。行きつけがなかったら、ちょっと面倒に思えますが、
これを機会に今までの行動範囲を少し変えて、新しいお店に足を
踏み入れるのも一案です。
八百屋さんに入ったら、畑の事情を通訳してくれる
おじさんかおばさんと仲良くなるのがポイント。同じトマトでも
「こっちとそっち、どっちが硬いの?」
私はいまだに自分で選べず、選んでもらいます。
近くに八百屋さんがなければJAショップか農産物直売所は
ありませんか。いま埼玉県では、県の補助金でプレミアム付
商品券が発行されたばかり。専用ホームページで申し込めます。
(あと一週間で締めきりです!)

http://st-shohinken.com
★価格1冊5000円(500円券×12枚)で6000円分の利用が可能。
★申込期間は7月10日(金)まで。
★発売は7月30日(木)から8月10日(月)
★利用期間は8月1日(土)から1月31日(日)まで。
使えるお店は埼玉県内の農産物直売所(道の駅、JA店など)です。

旬の野菜なら、さっと火を通して塩をかけるだけで十分美味しい。
チーズをかけて焼くと絶品。あと一品ほしいとき、
私はずいぶんこの旬の素材力に助けてもらいました。
あーー、楽ちんなのにおいしいじゃん、と幸福感に浸れます。

「ストレスあるところに、ビジネスあり」。
こうして電話ひとつでなんでも取り寄せられる社会が実現しました。
袋を開ければプロの味も手に入る。
でも本当のストレスは料理が作れないことではなく、
どこかにあるお手本から心が解放されないこと。
「簡単料理の素」がいくらできても、
それに頼る自分に心がチクリとなって、さらにストレス。

もぐもぐは先日、100人の親子とじゃがいも3種を掘って
きたので、これをチンしてバターやチーズを乗せたり
そぼろ煮にしたり・・・のそれだけが、めっちゃうまい。
手はかけないけど、素材のいいもの、旬ものを使った
楽ちん料理で自分をほめたいものです。

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松成 容子 (NPO法人食育研究会Mogu Mogu 代表)
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