〇日時 2023年12月24(日) 10:30-13:30
〇場所 さいたま市北区プラザノース キッチンスタジオ
〇内容 福島県のブランド鶏 伊達鶏を使ってローストチキンの作り方、切り分け方、
さらには生産者の声を聞きながら、鶏の体を分解しつつ、各部位をプロのシェフに教えてもらいます。
○講師 毛塚 智之氏(パレスホテル大宮 総料理長)
○協賛 伊達物産株式会社、一般財団法人藤井幸男記念・教育振興会
◆鶏の丸ごと、初めて見ました!
2010年から始まったこの企画も今回で14年目です。
鶏肉料理は相変わらず人気ですが、普段見かけるのは「もも肉」「胸肉」と表示のあるパックの中の肉ばかりです。
そんな鶏も生きてきた動物。
私たちはそんな命をいただいていることを実感するための、丸ごとの鶏と向き合う企画です。
気持ちよく協力してくださっているのが、福島県伊達市に本社があり、全国の一流店に伊達鶏を収めている
伊達物産株式会社と、さいたまで食育といえばこの方、パレスホテル大宮の総料理長である毛塚氏です。
毛塚氏には1年前からのご相談。「イヴ当日でもいいんですか?」。大変な決断をいただきました。
会場には、すでに各作業台の上に鶏が一体ずつ置かれています。
参加者たちは入ったとたん「え、ニワトリ? こんなの見たことない・・」と驚きの様子。
さあ、料理を始めましょう。
◆手づくりのクリスマス、なかなかいいですよ
鶏が丸ごとこんがり焼けておいしそうなローストチキンは、見た目はゴージャスですが、
作るのは簡単です。
表面の水分を拭いて足をタコ糸で結び、塩・コショウをしてオイルを塗って180℃のオーブンに入れるだけ。
毛塚シェフは言います。
「近ごろは、買ってくれば何でもそろうし早い。でも、ちょっとした手づくりでクリスマスができると、子どもたちにはとてもいい思い出になります」。
話しながら、シェフの手元は鶏の体に塩をまんべんなく皮にこすりつけています。
「今日は基本的な塩コショウですが、子どもたちには、ここにカレー粉を混ぜたのをまぶしてあげると、とても喜びますよ」。
なるほど、家庭ならではのアレンジです。
お腹につめるもの、ハーブなどで風味をつける方法、鶏の周囲に置いて一緒に焼く野菜のこと。
質問も飛べば答えもなめらか。なるほど、と言いつつ各班に戻り、それぞれのニワトリをシェフの手つきで整えます。
◆鶏の体を部分ごとに分けてみました
シェフに続いてみんなのチキンもオーブンに入ったところで、「鶏の体の話」の時間です。
頭付き、足の指付きの鶏が登場して、一歩下がるお友だちもいれば、前のめりになるママもいる。
そおっと抱きかかえて「あ、生まれたての赤ちゃんくらいね」とママ。
伊達物産東京支所長の菅野さんが「はい、それで3キロほどあります」と。
片手に包丁を持ったシェフが首を落とし、脚を落とし・・・のシーンではみんな無言。
足の骨を外し、肩の骨をはずし、こんどは骨と肉を離していきます。
「胸肉のところにささみもついていますね」「残った骨はいいスープが取れますよ」
「食べられる内臓は肝臓レバーと、心臓のハツ。あ、砂肝もおいしいよね」
鶏に詳しい菅野さんと毛塚シェフの話を聞くうちに、みなさんどんどん緊張がほぐれてきました。
「やっといつも見ている鶏肉になったね」。
最後に菅野さん。
「今日の鶏は、宮城県の委託農家さんが丁寧に育てた鶏だから、『おいしく食べね』と言葉を預かってきました。鶏は木曜日まで生きてました」。
生き物が、私たちの食べ物になる瞬間のことにはっとしたのか、会場からは「あー」とため息のような納得のような微妙な声がもれました。
◆せっかくの命。あなたの命を、私の命にさせて「いただきます」
オーブンで約1時間。
おいしく焼けたシェフのローストチキンと、フランスの家庭のスープという「ミルファンティ」で、試食タイムになりました。
食事にはおいしい食事パンということで、今年も協賛をいただき、バゲット、ライ麦入りパン、ドライフルーツ入りパンがたっぷり添えられてみんな見事な笑顔になりました。
食事が終ると程よく冷めたチキンをビニール袋に入れて、各家のイヴの準備にそそくさと解散となりました。
《 参加者のみなさんの声 》
○とりのかおに毛がないのを、はじめてみた(3才男の子)
○鶏の顔を初めて見てびっくりしました。 (6才女の子)
○さばく様子を見せていただけて、貴重な体験でした。命をいただいているんだなあと感じました (調布市女性)
○日常生活で生産者の方の声を聞くことはあまりありません。今日はいろんな話が聴けて、また、プロの技術を見ることができてよかったです (白岡市女性)
○ローストチキンは難しいと思っていましたが、意外に簡単に作れたので感動しました(さいたま市小2の男の子のママ)