■ 松成容子の「話食はおいしい その10」

CONTENTS  
1) 300円で、選ぶのはどっち?
2) 地元の郷土料理を知ると、地元の四季がわかる
3) 秋は月をめでて
4) 10月、さつまいもと落花生を収穫しました!
5) 春日部市立内牧小学校に今年も3日間の「出向く食育」

すっかりご無沙汰しました。
様々な自然現象と戦って、やっと澄み渡る秋空、収穫の秋が迎えられた10月。
でも、もう明日から11月。今年は果物の味も絶品ですが、紅葉も最高だとか。
自然は厳しいけれど、大きなプレゼントもくれますね。

1) 300円で選ぶのはどっち?

そんな美味しい300円の果物、たとえばりんご、たとえば梨。
でも皮はむかなきゃならないし、一個一人では多すぎる。
つまり手軽さに欠ける、と敬遠されているとは八百屋さんの弁。
そもそも1個300円は高い? のかしら?

一方、指先でちょいとつまめる薄い一枚の高級チョコ。
こちらはフランスからやってきて、都心のデパートに
特別冷蔵室を設営して日本にお披露目されました。
そして軽くひと口サイズの1個が300円。

先日、そのチョコをいただきながら、
いったいどっちに将来性があるのかと
考え込んでしまいました。

自然とがっつり組んで、月日をかけて食べ物を作っている
日本の農家は、このままどんどん報われないのでしょうか。
この流れ、どうしても止められないのでしょうか。

あなたが300円持って10回おやつを買うとしたら、
どちらを何回選びますか?
ぜひ、教えてください!

2) 地元の郷土料理を知ると、地元の四季がわかる

去る9月、さいたまの郷土食を親子で作って食べる会を開催しました。

「昔の農家は、朝まんじゅう、昼うどんといって、夏は忙しいから
朝はさっさとすませて、昼はごまと味噌の冷汁うどんだったのよ」と
さいたま市女性農業者連絡協議会の萩原さとみ会長に教えていただき、
親子でうどんを打ちました。

埼玉の夏から秋にかけては麦食文化。埼玉新人ファミリーも
楽しく納得した1日でした。
報告!もぐもぐファーム郷土料理教室「さいたま伝統の食文化を体験しよう」

3) 秋は月をめでて

10月には、天候にも恵まれ、十三夜の月をたくさんの方々と
上野の水月ホテル鴎外荘の縁側から観賞することが出来ました。

透明感のあるレモンイエローのお月様が、19時3分になんと、
真南に約束どおり、上ってきてくれたのです。
秋は、空が澄み渡り、月はきらきらと輝いて、それはそれは美しい。

芋、豆など秋にちなんだ素材を生かした日本料理と、
ホテル側のサプライズでオーボエの生演奏もしていただけて最高の夜でした。
秋の月見は、いいですよ。気分がすっきりします、オススメです!
報告!文豪・鴎外の旧居跡で、十三夜に、日本料理をコースで味わう会

4) 10月、さつまいもと落花生を収穫しました!

もぐもぐファームも秋になると忙しい。

浦和郊外の新興住宅街の中にぽつん、ぽつんと残る畑の中で大きく育った、
さつまいもと落花生を総勢30余名で収穫しました。

収穫したさつまいものつるの長さ競争の1位は3m37cmもあって、大拍手!
さつまいもといえば、江戸時代の青木昆陽が有名ですが
当時のさつまいもはこんなに甘くありませんでした。

今のように甘いさつまいもは、実は突然変異。それを最初に見つけたのは
明治時代、なんと、浦和の農家の山田いちさんという女性だったそうです。
ちょっとさつまいもに親近感がわきました。
落花生も一家で一株抜いて、楽しく持ち帰りました。

5) 春日部市立内牧小学校に今年も3日間の「出向く食育」

毎年恒例の「生産者と料理人と一緒に出向く食育」、
今年も無事終了しました。

3日間コースの1日目は「五感と五味」は「みんなのアンテナ」と
いって意識してもらい、2日目は季節の旬の作物と、
その生産者さんと一緒に出向きます。「自分たちが暮らす
近くにある、旬の野菜を意識してね」というのが狙いですが
今年のテーマは「かぶ」。

「食べたことなーい」という子供が30%もいたものの
実は給食には何度も出ているのです。
なかなか、かぶは意識するチャンスがないのかもしれません。

3日目は、当会理事の大河原実料理長(和食)といっしょに、
味付け前のだし汁を飲んだあとに、みんなでおろしたかぶとあわせて
「かぶのすり流し」(椀)を楽しみました。
さて、かぶのイメージは変わったかな?

お手伝いしてくださったPTAのお母様から
「自分のふるさとの作物でこういう体験が出来るのは、
子どもたちの心に残ります」と言っていただけたのが
うれしかったです。

さて、あなたの「ふるさとの味」って、なんでしょう。
メールで返信いただけるとうれしいです。

松成 容子 (NPO法人 食育研究会Mogu Mogu 代表)